そうしているうちに、俺は墓地へとたどり着いていた。 ゆっくりと、栗田の墓へと向かう。 「……ん……?」 丁度、栗田の墓が見えたとき、俺は足を止めた。 栗田の墓のところに、誰かいる……? 栗田の墓のところにいるその人は、しゃがんで手を合わせていた。 小柄で長い髪を後ろで一つにまとめたその人を見て、俺はハッとする。 「もしかして……」 栗田のお母さん……?