ああ、あいつと見た空もこんな空だったな。 あいつは……栗田は、こんな綺麗な空を、どんな気持ちで見ていたんだろう。 どんな思いで、こんな綺麗な空を見ていたんだろう。 俺は、その空から目線を逸らして歩き出した。 もう、春になったんだ。 あの雪が降った日から、もう何日も経っているのに。 俺の気持ちは、まだあの日のままだ。