もう、何もかもが分からなくなっていく。 ズキン、ズキンと、一定のリズムで痛む頭。 「麗紀!麗紀!!」 もう、誰の声かも分からない。 でも、もうそんなに名前を呼ばないで……。 もう、息ができないくらい苦しいのに。 お母さんや美歌の声を聞くのが、こんなに辛いなんて。 苦しさより、切なくて、涙が出そう。 でももう、涙が頬を伝ったのか分からない。 ……どうして、こんなときに色々思い出すんだろう。 今まで見てきた景色が、たくさん頭に思い浮かぶ。