「先生……!麗紀は……!!」 あたしは、その声の方に目を向けた。 ぼやける視界の中で、美歌を見つける。 「……最期の言葉を、かけてあげてください……」 あたしの横で、その言葉が聞こえた。 でも、あたしは、頭が朦朧としていてその言葉がよく理解出来ない。 「……そんな……」 美歌の、悲しそうな声が聞こえた。 「……麗紀……麗紀……」 あたしの頬を包む手が、そっと離れた。 お母さんは、そのままベッドの横にしゃがみこむ。