「……紀!麗紀!!」 「お願い……お願い麗紀……」 遠くの方で、名前を呼ばれた気がした。 ゆっくり目を開けると、ひどく眩しい。 「麗紀!!麗紀!!」 そう言って、誰かがあたしの頬に優しく触れた。 この優しい手は、お母さんかな……。 「先生!麗紀、目を覚ましましたよ!!これで、これで大丈夫なんですよね……!?」 あたしの大好きな声が、聞こえた。 この声は、美歌……?