頭の痛みに、驚いて、思わず立ち止まる。
――ズキンッ、ズキンッ……
痛みは、心臓の鼓動みたいに一定に頭に響く。
「……栗田……?」
少し不安げな、緒川くんの声が聞こえた。
こんなに頭が痛いのに、彼の声を聞いただけで少しだけ安心するのは、なんでだろう。
「麗紀?どうしたの……?」
遠くの方で、美歌の声が聞こえる。
「ごめん……なんでもない……」
あたしはそう言って、また前に歩き出そうとする。
――ズキンッ!
「……っ!!」
でも、あたしは一歩を踏み出す前に、その場にしゃがみこんでしまった。
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