優しい笑顔で、声で、そう緒川くんは言った。 そのせいで、あたしは泣きそうになる。 喉がキュウっとなって、上手く息が出来なくて。 口を固く結んで、涙を我慢する。 緒川くんは、そんなあたしの様子に気づいていないのか、ゆっくりあたしの方に歩き出した。 そしてそのまま、あたしの目の前に立つ。 「……学校来て下駄箱見たら、靴あってびっくりした」 少し困ったような顔で話す緒川くん。 そんな優しい声で離さないでよ……。 涙を我慢できないじゃない。