あたしは手入れが終わると、教室に向かった。 階段を一段一段、ゆっくりと登る。 この傷だらけの床も、隅っこに落書きがされている壁も、全部目に焼きつける。 忘れてしまわないように。いつでも思い出せるように。 誰もいない廊下を歩いて、教室の扉の前に立つ。 「……よし」 ガラガラッという音を、誰もいない教室に響かせる。 ああ、この雰囲気、久しぶり。 机が少し斜めってあるのも、掲示物が少し取れそうになってるのも。 全部が、あたしの記憶のまま、目の前にある。