ゆっくりと、ドアノブに手をかける。 ――ガチャッ 錆びて少し硬くなった扉を開けた。 ああ、やっぱり、なにも変わってない。 大きなピアノも、賞状も、部活の基礎が書いてある紙も。 なにもかもが本当に変わってなくて、それが嬉しくて、泣きそうになってしまう。 あたしは、合奏の時の自分が座る位置に行った。 椅子を持ってきて、その位置に座る。 「はぁ……」 もう少しで涙がこぼれそうになる。 ここから、山ちゃんの癖のある指揮を見てた。 ここで、色んな曲を演奏した。