「よし、おっけー」 鏡の前で、そう呟いた。 2年間着ていたはずの制服なのに、初めて着たような感じがする。 「……笑顔、笑顔」 学校では、笑顔でいるんだ。 あたしはそう自分に言い聞かせて、玄関に向かった。 玄関に向かうと、ちょうどお父さんも仕事に行くところだった。 「お、麗紀。もう学校に行くのか?」 「うん、今日は早く行こうと思って」 そんな会話をしながら、二人で靴を履く。