開いてあたしの目に飛び込んできたのは、あたしと美歌が泥だらけになって遊んでいる写真。
髪も顔も泥だらけで、でっかい口を開けて笑っている。
その写真の下には、あたしの5歳の誕生日の写真。
もう一ページめくると、小さいあたしとおばあちゃんが写っていた。
「……懐かしいなぁ」
アルバムを見ると、自然と笑顔になる。
写真は、忘れてしまう過去をちゃんと保管してくれる。
何気ない日を、思い出さしてくれる。
あたしは写真が苦手だから、成長することに写真を撮る回数が少なくなっている。
でもたまには、写真を撮るのもいいなぁ……。
きっと、誰かがあたしが写っている写真を見て、あたしのことを思い出してくれたら。
「こんな奴いたな」とか「懐かしいな」って思ってくれたら。
きっと、あたしは誰かと一緒に、学生のころの写真を見ることはできないけど。
誰かと、思い出話をする日なんてもう一生来ないけど。
写真に写るあたしは笑っているから。



