「そうよ優香。風邪ひくわよ」
「え~」
プクーっと大きく頬を膨らませた優香ちゃん。
「じゃあ、優香ちゃん。部屋で出来る遊びしようか」
あたしはしゃがんで、優香ちゃんと同じ目線になった。
「うん!!」
優香ちゃんは笑顔で大きく頷いた。
……優香ちゃんは、こんな景色を見てるんだ。
優香ちゃんと同じ目線になってみると、さっきまで見ていた同じ景色がガラリと変わる。
自動販売機の高さとか、廊下にある手すりの高さとか。
昔、あたしもこんな景色を見てたのかな。
もう流石に、思い出せないけど。
「お姉ちゃん!行こ!」
「あ、うん」
あたしは立ち上がって、優香ちゃんの後についていった。



