「優香~」
優香ちゃんのお母さんが、ひょこっと売店から顔を出した。
「あら」
そう言って、優香ちゃんのお母さんは少し笑った。
「ど、どうも……」
あたし、今、絶対顔引きつったでしょ……。
「久しぶりね……えっと……」
「あ、えっと」
「れきお姉ちゃんだよ!!」
あたしが名前を言う前に、優香ちゃんが大声であたしの名前を言った。
「あ、そうね。麗紀ちゃんね」
そう言って、また優香ちゃんのお母さんは笑顔になった。
「ねぇ、おねーちゃん!あそぼー!!」
あたしの服の裾を引っ張りながら優香ちゃんが言う。
「いーよー。なにして遊ぶ?」
「ボール!!」
「え……さ、寒いよ?」
まだ雪は降ってないけど、外の寒さは異常だ。



