“来てくれて、ありがとう”
そう思いながら、病室を出て行く二人を見送った。
パタンっと、扉が閉じる。
すると、なんだか悲しい気持ちになった。
人が居なくなるだけで、この部屋の空気とあたしの心はこんなにも冷めちゃうのか。
でも、本当にあの二人が来てくれて良かった。
本当に嬉しかった。
「……なんか、喉渇いた……」
ずっと喋っていたせいか、さっきから喉が乾いて仕方なかった。
ベッドの横にある小さな冷蔵庫を開けて、飲み物があるか確かめる。
「ないし……」
残念ながら、冷蔵庫の中にはお母さんが買ってきてくれたプリンだけ。
あたしは仕方なく、病室を出て飲み物を買いに行くことにした。



