あたしはただ、死ぬのを、待つだけなんだろうか……。
そう思うと、なんだか背筋がゾクっとする。
今まで、何回も考えてきたことなのに。
“自分が死ぬ”なんてこと、何十回も、何百回も、考えてきた。
なのに、今更、怖いと感じてしまう。
“死”が、すぐ近くにある。
振り返れば、すぐそこにある。
でも、なんだか、それから逃げるのも疲れたんだ。
怖いと感じるくせに、その怖さから逃げるのは、少し面倒で。
怖いと感じるくせに、その感情が面倒で。
あたしは膝を抱えた。
そしてまた、小さくため息をつく。
……さっき見た夢みたいに……。
無音で、真っ暗で、自分の声も聞こえない世界に行けたら、どれだけ楽だろう。



