あたしは、いつになったら、こんな自分を許すことが出来るんだろう。
……きっと、そんな日は一生、来ない気がする。
あたしはもう、自分を否定し続けるんだろう。
「はぁ……」
思わず、ため息がこぼれる。
なんだか、肩がズシリと重い。
「買ってきたわよ~」
ガラっと病室の扉を開けて、お母さんが入ってきた。
さっきと変わらない、元気な声。
「ありがとう」
あたしはお母さんから炭酸を受け取ろうと、手を伸ばした。
ペットボトルが、あたしの手に触れた。
でも、そのペットボトルはあたしの手に掴まれることなく、
あたしとお母さんの手の間から滑り落ちて、ボトっという鈍い音を立てて床に転がった。



