ここは、どこ?



暗くてなにも見えない。



無音の世界。



声を出したいのに、出せない。



“ねぇ!誰か!!”


口を動かしても、声として出されない言葉。



“誰か!助けて!!”


そう口を動かした瞬間、目の前にお父さんとお母さん、そして美歌と緒川くんが現れた。


楽しそうに、笑っている。


なにかを喋っているようだけど、あたしには聞こえない。



“ねぇ!助けて!!”


あたしはその4人に手を伸ばした。


それでも、届かない。


あたしの手は宙に浮いたまま、誰にも触れることは出来ない。


すると、4人は歩き出した。



あたし一人を置いて、どこかに歩き出す。


“ねぇ!待って!!置いていかないで!”



そう叫ぶけど、届かない。




あたしを、一人にしないで――……