少しでも、自分の未来を描いてしまうから。
――ズキンッ
「い、やぁ!!」
あたしはバッ、とお母さんから離れた。
お母さんは驚いて、大きく目を見開いている。
あたしは髪をグシャっと掴んだ。
――ズキンッズキンッ
痛みは、次第に大きくなっていく。
それでも、痛みのリズムは一定だ。
ズキンッというリズムに合わせて、ぐらりと大きく視界が揺れた。
そのまま、体に激痛が走った。
「麗紀っ!!」
霞む視界の中に、お母さんの動揺した顔が映った。
――ズキンッ
「う、あ……」
体を丸めて、頭を抱える。
ヒンヤリと、床が冷たい。
「娘が……っ!!早く!早く来て下さい!!」
お母さんの必死な声が、とても遠くに聞こえる。
「お、かあ、さ……」
震える声しか、出ない。
その瞬間あたしは、意識を手放した。