今更、ふたりの顔を思い出したって、苦しいだけ。
廊下に出ると、ひどく静かだった。
今は、連絡の時間か…。
そんなことを思いながら、隠れながら下駄箱に向かった。
「…本当に、静か……」
まるで、時間が止まって、この世にあたししかいないみたい。
自分のため息が、やたら大きく響く。
あたしは靴を履き替え、学校を出た。
…これから、どうしようか。
本当は、のんびりどこかで時間を潰したい所だけど、今、あたしの体調は良くない。
「……はぁ…」
しかたない。家に帰ろう。
あたしは震える足を、家へと向けた。
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