真っ暗な世界の中で、それでも、どこか光っているような。 そんな世界に、目が回ってくる。 手に持っているストラップを握り締めた。 ねぇ、美歌。 アンタは今、どうしてる? 怒ってる?それとも、泣いてる? ごめんね。 謝っても、届かない。 今更、謝ったって、意味がない。 一人の人間を失うだけで、こんなにも悲しくなるのか。 あたしは握りしめていたストラップをスカートのポケットに突っ込んだ。 そして、重い屋上の扉を開ける。 「……栗田?」