美歌の純粋で、綺麗な心から、あたしは怖くなって逃げて。
そして今、惨めなくらい、悲しいんだ。
美歌の心から、記憶から、あたしは消えなくても…
“最低な人間”として残れば、それでいい。
でも、その考えとは裏腹に、あたしの心は泣く。
……朝、思ったことは本当なんだよ。
『暇な時間を、美歌との思い出に費やしたい』
そう思ったのは、本当なんだ。
でも、この空を見てたら、なんだかさ、そんなのは無駄なんじゃないかって思った。
だって、あたしは死ぬんだもん。
美歌よりも、ずっと早く死ぬんだ。
そんなあたしに、思い出なんて、いらないでしょう?



