掠れた声で、美歌が言う。
どうして、バレるんだ。
……いや、バレて当然なのかもしれない。
あたしが美歌のことを知ってる分、美歌もあたしのことを知ってるんだから。
それでも、美歌、あたしを忘れて。
「……アンタなんか、大嫌いだったよ」
そう言った瞬間、パンッ、と音が鳴った。
その瞬間、右頬に、痛みを感じる。
美歌は、あたしを叩いた。
美歌、それでいい。
美歌が、あたしに手をあげるなんて、初めてだ。
きっと、あの“パンッ”という音が、あたし達の終わりの音。
あたしはそのまま、美歌の顔を見ずに、鞄を持って教室を出た。



