「ねぇ、美歌。あたしが今までアンタに、ウソをついてきてないとでも思った?」
笑いを混ぜて言う。
「あたしは、今までアンタにウソばっかりついてきたよ。本当のことを話したことなんて、一度もない」
ごめん、ごめんね。
ウソをついたこともあったけど、本当のことを話したことの方が多いんだよ。
当たり前でしょ。
あたしは、美歌にウソがつけないんだから。
「うんざりしてたよ、アンタには。いっつもくっついてきてさ」
どうして、こんなにウソがつけるんだろう。
どうして、あたしは美歌にこんなひどい言葉を投げることができるんだろう。
もう、なにもかも、分からない。
美歌は、唇を噛んで、泣くのを必死に我慢してる。
ごめんね、美歌。
あたしは、終わりの言葉を言おうとした。
でも――…
「……麗紀…ウソ、でしょう」