あたしは美歌を、泣かせたくないんだよ。
「今のはちょっと、…本当にボーっとしてただけで。……それに、朝から体調悪くてさ。
でも、まぁ…今は全然平気だから」
所々、言葉に詰まってしまう。
なのに、心臓はドクドクとうるさい。
あたしは窓を見る。
綺麗に晴れた、青い空。
「…ウソだよ」
美歌は、立ち上がる。
あたしは、窓を見たままで。
「ねぇ、麗紀。…これ以上、無理しないで。これ以上、自分を責めないで。本当のことを、全部、……あたしに、言って…」
最後の方の美歌の声は、とても震えていた。
美歌の言葉が、心に突き刺さる。
喉が、締め付けられる。
それなのに、空は青くて。
その色は、あたし達を、壊す色。
「……もう、やめよう」
ぼそりと呟いた。