――ドクンッ
さっきまで、速くなっていた鼓動が、止まるかと思った。
もう、頭の痛みなんかも忘れてしまって。
でも、痛みを忘れた代わりに、冷や汗が出る。
「……麗紀、顔…真っ青だよ……?」
教室の入口で、震える声で美歌が言う。
ねぇ、美歌。
美歌も、顔が真っ青だよ。
――ズキンッ
「うッ……あ!!」
急に足に力が入らなくなり、あたしはその場に転ぶ。
「―麗紀!!」
美歌の大きな声が、教室に響く。
美歌はあたしに駆け寄り、しゃがみこんだ。
「…いてて……」
あたしはイスにぶつけた背中を摩りながら言った。



