習慣になっていたことが、急になくなると、心にぽっかり穴が空いてしまったような気持ちになる。
「…まぁでも、いっぱい話ができるよね」
朝練がない分、空いた時間はたくさんある。
あたしはその空いた時間を、美歌との思い出に費やしたいと思ったんだ。
「…そうだね!!ガールズトークしよ!」
元気よく笑って、美歌は靴を下駄箱にしまった。
教室の扉をあけると、とても静かだった。
こんなに朝早く教室に入ったの、いつぶりだろう…。
そう思いながら鞄を机の横にかける。
「麗紀!ちょっと待ってて!!トイレ行ってくる!」
早口で言って、美歌はトイレに向かって走って行った。
美歌がいなくなったことで、さらに静かになる教室。
あたしはイスに座って、外の景色を眺めた。
もうすぐで、冬休みだ…。
澄んだ空を見ながら、ぼんやりと考える。



