「でも、麗紀さん。本当に、大変ですよ。嘔吐と言っても、吐き気はほとんど感じないのに、突然噴射のように吐く“噴射性嘔吐”になることもあるんです」
「……それは、なんとかします」
……なんとかなるかは、わからないけど。
「……私も、最善をつくします。全力でサポートします。でも、本当に危険だとわかったら、入院してもらいます」
「はい。よろしくお願いします」
あたしが頭を下げると、お母さんも一緒に頭を下げた。
病院を出て、車に乗った。
シートベルトをしめるときの、カチャンという音が狭い車の中に響く。
「……麗紀、すごいわね」
お母さんが呟いた言葉を聞いて「…え?」と聞き返す。
「なんだか、麗紀がすごく大人に見えたのよ。本当に、驚いた」
エンジンをかけながら、お母さんが言った。



