その声が、嫌に耳に響く。
「このまま大きくなって、頭蓋内圧が高まると、脳ヘルニアが起こり、呼吸や意識の障害が現れます。
その前にも、頭痛や嘔吐、目眩などがあって、生活がキツイと思います」
淡々と先生は話す。
理解していたつもりだったけど、面と向かって言われると、頭が混乱してしまう。
「…入院を、考えてください」
最後まで、先生はあたしから目を逸らさなかった。
“入院”……。
「それだけは、嫌です」
あたしがそう言うと、先生は難しそうな顔をした。
でも――……
「あなたなら、なんとなくそう言う気がしてました」
そう言って、先生は微笑んだ。
離れていたお母さんの手が、またあたしの肩に置かれた。
もう、震えてはいない。



