「……は?」
あたしは思わず、伏せていた顔を上げ、彼の方を見た。
この予想外すぎる質問は、なんなんだろう。
「昨日、大会だったんだろ」
「うん……」
「結果、どうだった?」
緒川くんは、少し微笑みながら言った。
「……金賞、でした……」
あたしがそう言うと、緒川くんは大きく目を見開いた。
「うお!まじか!!めっちゃスゲーじゃん!!」
大きな声で言うから、あたしは思わず肩を縮こませた。
「すげーな!!金賞か!!すっげー!」
キラキラと目を輝かせながら、緒川くんは言った。
無邪気に、目を細めて笑う。
あぁ……、そっくりだ。
優香ちゃんと、そっくり。
「……優香ちゃんと、似てるね。」
するりと、こぼれた言葉。



