そう思ったら、乾いた笑いが漏れた。
そのとき、座っていたベンチがギシッと音を立てた。
それは、緒川くんがあたしの隣に座ったから。
「なぁ」
低く、落ち着いた声が耳に届く。
そう何度も、あたしを呼ばないでよ。
どうすればいいの。
あなたは、この姿のあたしを見てどう思ってるの。
どうしてあたしが優香ちゃんの病室にいたんだろう。とか思ってるの?
……その質問をされたら、あたしはどう答えればいいんだろう。
また、はぐらかす?
それとも、正直に全て言う?
……もう、どうすればいいのか、わからない。
「……大会、どうだった?」



