「つーかーれーたー」
そう言って、ベッドに倒れこんだ。
――ズキッ
「…うっ!」
頭の奥の方で、疼くような痛みがあたしを襲う。
この痛みにも、最近は慣れてきた。
それはきっと、あたしの夢を壊すサイン。
一行にこの痛みは治らない。
「……金賞取ったし…」
…これでもう、心残りは……。
そこまで考えて、止めた。
ははっ、と乾いた笑いが漏れた。
ふいに、自分の右手を見る。
手首には、“今日、金賞が取れますように”と紗夜が作ってくれた黄色とオレンジのミサンガ。
不器用な紗夜が、よく作ってくれたと思う。
「麗紀ー!9時前にはケーキ、食べちゃいましょう!」
下から、お母さんの声が聞こえた。
ベッドから起き上がって、下に行った。
「麗紀は、チョコケーキよね」



