「麻婆豆腐よ。ピリ辛ね!」
お母さんは得意げに言って、キッチンに言った。
「CM見たら、食べたくなっちゃて」
そう言って笑ったお母さんを見て、あたしも笑った。
鞄を置きに、部屋へ行った。
ベッドの上に、鞄を投げる。
――ズキンッ
イテ……。
頭に手を当てた。
なんだか、この痛みにも慣れてきた。
「…はぁ……」
小さく息を吐いて、あたしはキッチンに向かった。
「お母さーん。なんか手伝うことあるー?」
腕まくりをしながら、言う。
「んーとねー。お皿、テーブルに持っててくれる?」
「はーい」
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