「…お母さん?」
あたしは少し焦りながら、靴を脱いだ。
「お母さ……ん?」
リビングに行くと、お母さんはソファで眠っていた。
「…な、なんだ…寝てるのか…」
倒れてるのかと思った。
何故そんな縁起でもないこと思ったのかは、自分でも分からない。
きっと、疲れがたまってるんだろう。
家の家事とかだけじゃなくて、あたしの病気のこととかで…。
「…麗紀?」
「あ、起きた?」
そう言うとお母さんは、グーっと伸びをした。
「ごめんごめん。する事なくてボーっとしてたら寝ちゃった」
「そっか。あ、今日の夕飯なに?」



