「じゃあ、みんなばいばーい!!」
「ばいばーい」
部活のみんなと別れて、あたしと美歌の2人になった。
「もう、最後の大会で最後のシュークリームかぁ」
懐かしむような、そんな口調で美歌が言う。
「早かったよねぇ、なんか。あっという間だった。なんかこの前入部したみたいだよ」
「はは、そうだね。本当に、早かった」
本当に、あっという間だった。
あの日あの時、嫌だと思ったことも、今思えば、とても大切な日々。
「ねぇ、麗紀…」
「ん?」
「絶対、金賞取って一緒に、みんなで一緒に、笑おうね」
美歌がガラにもなく、優しく笑いなが言うから、なんだか、泣きそうになってしまった。
あたしはそれがバレないように上を向いて「うん」と返事をした。