美歌は、敬礼のポーズをしてみせた。
「お、かーずや!!お前、どこ行ってたんだよー!」
「また告られに行ったのかー?」
「ばーか、ちげぇよ」
そんな会話が、耳に入る。
あの感情は捨てたけど、少し気にしてしまう。
「んだよー。お前、ケータイ見たかと思うと、めっちゃダッシュでどっか行ったじゃん。そんなに大事な用だったのかよー」
そう彼の友達の鈴木くんが言うと、緒川くんは「ゴホッ」と咳き込んだ。
あたしはその会話を、聞こえないフリをした。
そのうちにチャイムが鳴り、理科の先生が教室の扉を開けた。
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