いつかの台詞を、また口にする。 「…じゃあ、あたし、教室に戻るね。…緒川くんは?」 「俺は、ちょっとここでのんびりしてるわ」 「そっか…。それじゃあ」 小さく手を振って、屋上を出た。 薄暗い階段を下りると、いつもの学校の景色が広がった。 教室に行く途中、トイレから出てきた美歌と出くわした。 「あ!麗紀ー!いつ来たの?」 「さっき。ちょっと用があってね」 「そっか。良かった、麗紀が学校に来て」 そう言って美歌は笑った。 「今日は、ハーフアップですか」 「はい!簡単なので」