昼休みのうちに返してしまおう。
そして、この気持ちも終わりにする。
そう思い、電話帳から彼の名前を探す。
最初、電話で言おうかと思ったが、なんだか勇気が出ないのでメールにする。
[今の時間、屋上に来れますか?]
送信ボタンを押すと、あっさりその文章は彼のもとへと飛んでいった。
…じゃあ、一回、教室に行く前に屋上だな。
屋上につくと、まだ緒川くんは来ていなかった。
もしかしたら、メールに気づかない可能性もある。
そうなったらそうなったで、直接言うしかないか。
「…はぁ…」
そんなため息をつきながら、空を見上げる。
今日は、鳥いないか。
いつの間にか、空を見上げるのが癖になっている。
「…栗田?」



