その話を聞いて、ホッとする。
あのくらい小さい子で、あんなに笑顔が無邪気な女の子なら、きっと将来の夢を持ってると思うから。
その素敵な夢を、諦めないでほしい。
「……それじゃあ、また今度」
「はい」
お互い、頭を下げて、それぞれの場所に戻った。
受付に戻ると、丁度お母さんも戻ってきていた。
「あ、麗紀。待たせてゴメンね」
「ううん、全然」
「じゃあ、帰りましょうか。あ、でも麗紀は学校ね」
…忘れてた。
そう思いながら、自分の服装を見る。
ガッツリ制服着てるし…。
「お母さん。あたし、歩いて学校行くよ」
そう言うと、お母さんは驚いたように目を見開いた。
「そうなの?車で送っていくのに」
「ううん。なんか歩きたい気分だから」
「そう…。じゃあ、お昼、薬飲み忘れないでね」
「うん」
あたしは駐車場までお母さんと行って、そこで別れた。
ここから学校って、歩いてどれくらい時間かかるんだろう。
そう思いながら、鞄からケータイを出して時間を見る。



