『――はい、終わりです。お疲れ様でした』
……どのくらい、中にいたんだろうか。
スーっと、体が洞窟の中から出た。
ずっと目を閉じていたから、周りの明るさに、目が眩む。
頭を抑えていると、さっきの看護婦さんが入ってきた。
「栗田さん、気分が悪いですか?」
「あ…いえ……」
「気分が悪くなったら、言ってくださいね。…それじゃあ、また着替えて下さい」
「はい…」
そう言って、さっきと同じ部屋で制服に着替えた。
「じゃあ、麗紀さん。ここに座って」
「はい」
主治医の先生に従って、イスに座る。
そして、あたしの隣のイスにお母さんが座った。
「えっと、じゃあさっきの検査の結果なんですが…」
そう言って、先生はレントゲンに目を通す。
「……少しばかり、大きくなっていますね…。」



