「あ、待って。その前に病衣に着替えてね。あと金属類は外してね」
そう言ってあたしは看護婦さんから、水色のラインが入った服を渡され、個室に案内された。
「じゃあ、ここに寝てください。ちょっとうるさいけど、我慢してね」
「…はい」
あたしは看護婦さんの言うとおり、MIRに横になった。
…やっぱり、緊張してる。
運ばれた日は、なんともなかった気がするのに…。
そう考えていると、スーっと体がなかに入っていった。
あ、でも…なんだかこの感覚だけは覚えてる。
このトンネルの中に入ったような感覚…。
『じゃあ、これから撮影しますね。うるさくなるんで、気分が悪くなったら言ってください』
その声が聞こえたと同時に、聞きなれない音が鳴り始める。
――ガー…ン…ゴーン…ガー…ン…
うるさい音が、頭に響く。
前はこんなに、うるさく感じたっけ?



