太陽みたいなキミ






そう言って、お母さんは花瓶に入ったコスモスの花をあたしに見せた。


「…綺麗……」


「でしょ~。じゃあ、このお花も一緒にしてあげましょうね」


そう言ってお母さんはあたしからコスモスの花を受け取った。


「あ、麗紀。ご飯出来てるわよ。」


「あ、うん」


あたしは靴を脱いで、リビングに向かった。



「わ、今日はおでん?」


「そうよ~。寒いからね、あったかいものが食べたくて」


そう言いながら、お母さんはあたしが持ってきたコスモスを花瓶に入れようとしていた。



「……お母さん」


「…んー?」


あたしの声に、その手を止めてこちらを見たお母さん。



……決めたんだ。


もうクヨクヨしないって。


「…あたし、ちゃんと生きるから」


あたしの言葉に、お母さんは目を見開いた。


それと同時に、コスモスの花がお母さんの手から滑り落ちた。



「……あたし、ちゃんと生きて。この病気と、向き合って行く。」


声が震える。


どうしてだろう。



先生の前では、耐えることが出来たのに…。