「じゃ、美歌。また明日!」
「うん…、また明日」
美歌は、さっきのあたしのイタズラにとても疲れたようだ。
なんだか、申し訳なくなった。
「気をつけてねー!!」
「麗紀もねー!」
2人して大きく手を振りながら別れを告げた。
あたしは、花が心配で小走りで家へと向かった。
「はぁ…ただいまー」
肩で息をしながら、玄関の扉を開けた。
ほんの少しの距離なのに、こんなに疲れるなんて。
自分の体力のなさに、嫌気がさす。
「あら、麗紀、おかえり。……なに?そのお花」
リビングからヒョイっと顔を出してお母さんが言った。
「はぁ…、あぁ、学校にあって、綺麗だから持ってきちゃった」
「ふふ、そうなの。あ、ちょどいいわ。今日ね、玄関にお花を飾ろうと思ってお花買って来たのよ。それと同じ、ピンク色のコスモスね」



