そう言いながら考え込む美歌を見て、あたしは少し苦笑いをした。 「まぁ、枯れてなくて良かった。ごめんね、付き合わせちゃって」 「全然!!それに、何気に景色キレイじゃない?」 「景色――?」 美歌の言葉に、しゃがんでいた体を立たせた。 その瞬間、息を飲んだ。 もうすっかり暗くなった街に、無造作に光が散らばっている。 家の光と、走る車の光。 この街にこんな絶景があるなんて知らなかった。 「……じゃあ、麗紀。帰ろっか」 「うん」 あたしは花の入ったコップを持って、屋上の扉を開けた。