そのとき、ふと、この前美歌から貰った絵のことを思い出した。
あれ、あたし、あの絵どこにやったっけ?
そう思いながら、鞄の中に入っているファイルを漁った。
あ、あったあった。よかった…。
この絵は、無くしちゃいけない。
自分が書いてある絵を間近で見ると、なんだか恥ずかしい気もするけど……。
「――じゃあ、これで連絡終わり。部活あるヤツは頑張れよー」
その担任の声と同時にみんなが席を立って、教室を出て行く。
「麗紀!部活行こ!!」
「あ、うん」
あたしと美歌も、みんなと同じように教室を出ようとした。
「あ、栗田!」
引き止めるように、担任に声をかけられた。
美歌は驚いて、担任を見ていた。
…なんだか、こんなことになるような気がしたんだよね…。
「ちょっと、教務室に来なさい」
そう言って、担任は教室を出た。
「…麗紀、なんかした!?呼び出しって…」
「大丈夫だよ。じゃあちょっと部活遅れるから、言っといて」
「え、ちょ――…」
まだ、話を聞きたそうにする美歌を置いて、あたしは教務室へと向かった。



