ふーん、告られたんだ…。
そんなことを思っていると、美歌が小声で話しかけてきた。
「うわ!麗紀!!和也くん告られたって!いいの!?」
「は!?いいの、ってなにが!」
「だから!和也くん、誰かに取られちゃうよ!!」
あたしの袖を掴みながら、美歌が言った。
「べ…別に、あたしに関係ないよ。あの人が告られようが、なんだろーが関係ない」
「ちょ、麗紀…。そんなクールに言わないでよ」
少し、しょんぼりする美歌。
そんな残念がられても、困るんだけど……。
そう思いながら、少しだけ彼を見た。
少し頬を赤く染めて、周りの男子たちに文句を言っている。
……って…なにやってんだ、あたし。
気にしないって決めたじゃん。
キーンコーンカーンコーン♪
そのチャイムと同時に、担任が教室の扉を開けた。
そしてまた、級長の太い声が教室に響き渡った。



