「…なんかこの席、色々キツいわ…」
おデコに手を当てながら言うと、美歌が、
「えー!!窓側最高じゃん!寝れるじゃん!!」
「ちょっと、あんた…寝ちゃダメでしょ…」
「いや~、ここ丁度、陽がさしてさ~。眠くなっちゃうんだよね~」
美歌はそう言いながら、大きなアクビをした。
そのとき――…
「おー!和也ー」
ドキッと、心臓が鳴った。
「おい!和也!!さっきの子、どーなったよ?」
髪をツンツン立てた男子が、興味津々な声で言った。
「…別になんもねーよ」
少し不機嫌そうな声で緒川くんが言う。
「なんもねーわけ、ねーだろ!告られたんだろ?」
「いやー、モテる男は違うねー」
彼の周りにいる男子たちが、からかうように言った。



