な、なんか昨日も言われた気がするんだけど…。
「あははは!!お、お腹痛い~~~」
「美歌、笑いすぎ…」
「だ、だって…あははは!!」
止まることのない笑い声を聞いていると、なぜかこっちまで笑えてきた。
「ちょ、美歌…!笑うのヤメて……」
「む、ムリ!止まんない!」
もう2人して狂ったように、大声で笑った。
「…ちょっとあんたら、笑い声でかすぎよ」
声がする方に目をやると、部長の紗夜がいた。
「だ、だって美歌が……、あははは!」
「はぁ、まったく。楽しそうでなにより」
そう言って紗夜はクラリネットを組み立て始めた。
腰まである艶やかな黒髪と、黒いクラリネットがなんとも言えないくらい似合ってる。
部長という立場になっても、その強い心と凛とした姿勢を崩さない。
顧問の山ちゃんにも、ペコペコせずに堂々としているのがすごいと思う。
本当に、紗夜が部長で良かった。
「はぁ…はぁ、麗紀…あたしらも練習しよ…」
「だ、だね…」
2人、お腹を抱えながら楽器を手に持った。