“死なない”
あたしは、こんな希望を、持っていいのだろうか。
半年後、あたしは生きてる、という未来を願ってもいいのだろうか。
―――バサッ
…ん?
あたしの背後に、妙な音がした。
あたしは少し怖かったけど、振り向いた。
「……な、なんで…」
あたしの後ろには、ピンク色のコスモスの華が一輪、置いてあった。
そしてその後ろのフェンスには、さっきまで優雅に空を飛んでいた鳥がとまっていた。
本当に、大きい鳥…。
あたしはその鳥に近づこうと立った。
でもその瞬間、鳥はバサッと大きな羽を広げてあたしの目の前から消えた。
「え、ちょ…!!」
あたしがフェンスに手をかけた時にはもう、鳥は大きな羽を使って空を飛んでいた。
………。
なんだったんだ、今の。
もしかして、夢?
……でも確かに、コスモスの華が一輪置いてある。
あたしはそのコスモスを手に取った。



