雲の隙間から覗いた、細い太陽の光のような。 「…ったく。はい、これ」 そう言って緒川くんはあたしにタオルを渡した。 「え……あ、ありがとう」 「じゃ、…今日は朝練行けよ」 そう言って緒川くんは帰っていった。 渡されたタオルは、オレンジ色。 なんでだろう…。 このタオルを見てるだけで、こんなにも涙が出てくるのは…。 あたしはそのタオルを顔に押し当てた。 暖かい……。 彼の匂いがほんのり鼻をくすぐる。