「……ごめん…」
そう言って彼は、あたしから離れた。
そしてそのまま、出口へと向かっていった。
これで、良かった。
あなたにあたしは必要ない。
あたしもあなたは必要ない。
一瞬でも絡まってしまった糸だけど、一瞬でほどけた。
――ガシャン
この音が、あたし達の関係を終わらせた。
あたしはただ、ボーっと空を眺めていた。
まだ飛んでんのかよ、鳥。
翼を休めることなく、あたしを嘲笑うかの様に飛ぶ鳥。
ねぇ、助けてよ。あたしのこと。
この頭ん中にある塊、とってよ。
――ズキンッ
「……っ」
あぁ、そういえば朝、薬を飲み忘れた。
だから、いつもより痛みが強いの?
――ズキン、ズキンッ…
誰か、助けて。



